嘘とカメレオンの動画SEOを調査してみたけど、清々しいまでに何もしていなかった話。
前回の記事「嘘とカメレオンはいかにしてYoutubeの再生数を伸ばしたか」に続き、今回はYoutubeの動画SEOの観点で分析してみたい。
嘘とカメレオンとは
2014年4月1日に結成されたインディーズバンド。
2016年12月に公開したバンド初のMV「されど奇術師は賽を振る」がノンリリース、ノンプロモーションにも関わらず、半年で再生回数140万回を突破、チャンネル登録者数も現在10,000件を超え、業界を騒然とさせる。
彼らが初めて投稿したMVは、上にあるように凄まじい成果を上げ、広告換算したらとんでもない金額のプロモーション効果を生み出すことに成功している。
冒頭で触れた前回のエントリでは、嘘とカメレオン初のMV「されど奇術師は賽を振る」が、140万回再生に到るまでの歩みを考察した。
Youtube再生数を増やすテクニック「動画SEO」
「動画SEO」は、Youtubeの検索結果や関連動画に表示されやすくするテクニックのこと。
今回は、半年で再生回数140万回を突破した、嘘とカメレオンのMV「されど奇術師は賽を振る」がどのような動画SEOを行ったのかを調べようと思う。
なんかやってますでしょ。流石に。
さて、まずは基本的な知識から。
YoutubeにもGoogle等と同じような検索機能があるが、動画の中身をチェックして検索結果を返しているわけではない。動画のタイトル・説明文・タグなどの文字情報が使われている。
「されど奇術師は賽を振る」を実例に見てみよう。
動画のタイトル
バンド名と曲名。まあ、普通。
説明文
内容は「MV完成の報告」・「CDの宣伝」・「HPやTwitterへのリンク」・「2作目のMVの紹介」と、これもまた普通。
動画のタグ
ここは画面上に見えない場所に設定されている。 きっとここに何か仕掛けが。
えっ。
タグがない。
「されど奇術師は賽を振る」の動画には、タグが何も設定されていない。(少なくとも2017.07.17時点では)
結論:嘘とカメレオンの初MV「されど奇術師は賽を振る」は、半年で140万回という驚異の再生数を実現したが、動画SEOのテクニックはまったく駆使していなかった。
さすがにここで終わってはゴミ記事なので、もう少し調べて見る。
他のバンドの動画タグはどうなっているか
試しに、Youtubeで「嘘とカメレオン」と検索してみよう。すると、「弾いて見た」系に混ざって普通のバンドのMVが出てくる。
検索結果の1ページ目にある。
まぜたらうまい「溺れる魚」
まぜたらうまい「溺れる魚」の動画タグ
関連動画への表示を狙っていると思われるタグ群が設定されている。
その中に「嘘とカメレオン」もある。
彼らの曲名である「されど奇術師は賽を振る」も設定されている。
さすがに曲名はバンドと直接関係ないのでは。
確信犯的だろうけど、「どうなんだろうね。」って彼ら自身も思っていそうだ。
一つ目のタグは設定ミスだと思う。誰かおしえたげて。
動画の説明文を見ると、嘘とカメレオンとの共同企画の記載があった。
これは、有効活用できそうなテクニックだ。
Youtube上での検索数が多そうな有名なバンド、トレンドになっているバンドを説明文に記載する。
何の脈絡も無く他のバンド名を記載するわけにもいかないから、このように共同企画など繋がりを持つことで自然に説明文の中に記載することができる。
さて、検索結果の2ページ目にも、通常のMVが表示されている。
プルモライト 「間もなくフィクション」 (Music Video)
プルモライト 「間もなくフィクション」 の動画タグ
やはり、「嘘とカメレオン」のタグがある。
こちらは、動画説明文に「嘘とカメレオン」の記載はなかった。
レーベルに所属していると、
このように、同じレーベルに所属しているバンド名を記載できるので、相互にバンド名を記載することで関連動画に表示されやすくなる効果がありそうだ。
10-FEETも動画タグに設定してあげてください。
残りの検索結果は、ひたすら再生リストが並ぶ結果になっている。
「動画タグ」あるいは、「動画説明文」に「嘘とカメレオン」を設定しているにもかかわらず、表示されていない動画を見つけることができなかったので、もしご存知の方がいたら教えてください。
最後に、今話題のポルカドットスティングレイから「エレクトリック・パブリック」の動画タグを参考までに。
ポルカドットスティングレイ「エレクトリック・パブリック」 の動画タグ
ながい。
椎名林檎・東京事変あたりは、ファンを狙い撃ちしているようなタグだ。表記揺れも設定しているあたり、よくわかっている人がやっている感がある。
インディーズバンドの動画SEOは、もう少し事例を集めて分析したいと思う。
それでは、また。