特急すーぱーぽっち

ベンチャー企業で働くマーケターがインディーズバンドのマーケティングを考えるブログ。

インディーズバンド15組のSNS/Youtube事情をちょっとだけまとめてみた。

「SNS 画像 フリー」の画像検索結果

インディーズバンドのSNS/Youtubeの現状を調べてみる

個人的に気になっているバンドを中心に、SNSYoutubeの数値を調べてみた結果を表にまとめてみた。

#
バンド名
FB
Youtube
A.チャンネル登録 B.最大再生数 C.B÷A
1 YellowStuds 11,426 1,894 1,909 131,800 69
2 感覚ピエロ 53,809 4,904 31,832 9,807,155 308
3 バックドロップシンデレラ 12,131 1,573 5,839 343,025 59
4 THE PINBALLS 6,867 1,725 (25,529)
バンド単体ではない
589,032 23
5 八十八ヶ所巡礼 13,232 582 3,926 1,070,468 273
6 嘘とカメレオン 9,343 - 10,936 1,406,265 129
7 ポルカドットスティングレイ 51,453 3,197 70,564 5,689,613 81
8 ビレッジマンズストア 9,551 1,276 1,841 485,812 264
9 ニガミ17才 3,946 - 1,497 130,009 87
10 挫・人間 3,472 - (5,113)
バンド単体ではない
172,461 34
11 GRAND FAMILY ORCHESTRA 1,708 183 1,028 82,075 80
12 みるきーうぇい 1,932 88 778 44,763 58
13 SaToMansion 3,444 615 274 16,937 62
14 Large House Satisfaction 6,088 1,051 (4869)
バンド単体ではない
163,453 34
15 バズマザーズ 6,466 525 2,640 147,771 30
16 BRADIO 22,763 9,983 56,149 6,844,677 122

※2017.07.01頃調査時点

一番右のカラフルな列は何?→「バズ度」

一番右の列の数字は、そのバンドの最も再生された曲の再生数をチャンネル登録数で割った数で、「波及効果の大きさ」を表すことができるんじゃないかと考えている。チャンネル登録数がファンの数だとすれば、それ以外の人たちにどれだけ見てもらえたか、という数字。この数字が大きいほど、そのMVが新しいファンの獲得につながっている可能性が高い。「バズ度」とでも呼ぼう。

感覚ピエロがすごいことになっている

 

感覚ピエロというインディーズバンド。おじさんは知りませんでした。

宮藤官九郎脚本のドラマ「ゆとりですがなにか」の主題歌「拝啓、いつかの君へ」は、このエントリを書いている時点で1,000万回を超えている。やはり、タイアップ曲は「バズ度」が高い。調べたバンドの中では、1位の308となっている。また、TwitterなどのSNS戦闘力も申し分ない高さ。

この規模のバンドにもなると、その道のプロにレコーディングやミックス、ジャケットのデザインを依頼して制作するのが一般的と思われるが、彼らは音楽活動する上でのすべての作業を自分たちの手で行っている。

結成から1年半くらい経過した頃と思われるインタビューがあった。

レコーディングも僕ら全部やってて。自分たちで。

ジャケットデザインから、グッズデザインから、ライブその他諸々活動まで、本当に4人全員でやってるんで。本気なんすね。ただただ、本気なんすね。

 ワイもライブで「おっぱい!」と叫びたい。

MVに出てくる田中真琴氏が天使なので見ておくと良いと思う。

 

前回のエントリで作成したインディーズバンドの損益シミュレーションを使って感覚ピエロの想定収益を出してみた。チャンネル登録数の75%が「固定ファン」だとして、ファン稼働率をそれっぽくチューニングした結果、IT系上場企業で最も給与が高いといわれる野村総合研究所の平均給与並(1,000万円強)の給与を支払っても、営業利益10%程度を確保できる感じになった。どんどん音楽に再投資してファンの期待にこたえ続けていってほしいと思う。

 

応援したいという気持ちが溢れて、Tシャツを買ったった。

 

嘘とカメレオン

 

いいよね。おじさんは好きだね。

2016年12月に公開したバンド初のMV「されど奇術師は賽を振る」がノンリリース、ノンプロモーションにも関わらず、半年で再生回数140万回を突破、チャンネル登録者数も現在10,000件を超え、業界を騒然とさせる。

-嘘とカメレオン Official Web | 嘘とカメレオンのライブ情報・リリース情報等より引用

 

これは非常に興味深い実績だと思う。お金をかけずにこの数字を達成する再現性のあるテクニックがあるのだとすれば、それをお金を払っても買いたい人たちはたくさんいるだろう。彼らのことについて書いていたら、結構なボリュームになってしまったので次のエントリで触れることにする。

 

八十八ヵ所巡礼

 

Yellow Studs presents ~2017年ツアー「ごくつぶしが鳴く夜」~で、Yellow Studsと共演したこともある八十八ヵ所巡礼。溢れ出るアングラ感。上記のMVは最も再生されている曲だが、10人いたら8人くらいは「あ、今やばいもん見てる。いけないいけない。ポチ」てな具合にそっ閉じするかもしれない。おじさんは一日5回くらい見てるけどね。

 

石田スイ先生のお気に入りらしい。わかってらっしゃる。

 

「攻撃的国民的音楽」は、「バズ度」が273と感覚ピエロの「拝啓、いつかの君へ」と同じくらいの数字になっている。タイアップなどではないこの曲が、なぜこんなに高い数字になっているのだろうか。ちょいちょい英語のコメントが付いているので、海外で紹介されて伸びている可能性はあるものの、どういう経緯で再生が伸びているのか非常に興味をそそられる。驚異の中毒性によって、チャンネル登録しているファンが毎日10回リピート再生している可能性も捨てきれない。Youtubeで聞く必要ある?って感じではあるけども。

Twitterに目を移すと、Vo.マーガレット廣井氏の1つのツイートに対するエンゲージメント率(ツイートに対する何らかのフォロワーからのリアクション)が高い事に気づく。アル中アルアルシリーズというシェア・共感しやすいネタを投下しているのが、エンゲージメント率を考慮しての事だったらすごい。

 

他のバンドに関しては今後考察記事を追記します。

平沢あくび@ニガミ17才

最後に「可愛いは正義だ」と言わせてくれ。

では、また。

インディーズバンドのメンバーが音楽活動で年収500万円を達成するための超ざっくりシミュレーション

f:id:h4ru:20170709160252p:plain

どうも、こんにちは。

何年も前から各所で音楽業界の衰退が叫ばれているけど、なんだかんだで世の中には、星の数ほどのバンドがある。次から次へと、生まれては消えていく。

彼らの多くは、「ずっと音楽だけやって生きていければいいのに…」と思いながら、音楽活動を続けている。このページにたどり着いたあなたも、そんな内の一人かもしれない。そんなあなたのために、もしインディーズバンド(メンバー5人)で日本人男性の平均給与並に稼ごうと思ったら、どれくらいファンが必要で、どういう活動をすれば良いか考えてみた。

かなり大雑把なシミュレーションなので、細かい点については大目に見てもらいたい。

固定ファンが7,000人でギリ黒字に 

大項目 中項目 通年 構成比
売上高 ブッキングライブ売上 ¥10,500,000 28.41%
  ワンマンライブ売上 ¥8,400,000 22.73%
  CD売上 ¥10,500,000 28.41%
  物販売上 ¥7,560,000 20.45%
  小計 ¥36,960,000  
売上原価 ブッキングライブ原価 ¥1,200,000 11.55%
  ワンマンライブ原価 ¥3,000,000 28.87%
  CD原価 ¥924,000 8.89%
  CD流通費 ¥4,200,000 40.42%
  物販原価 ¥2,268,000 21.82%
  小計 ¥10,392,000  
販管費 人件費 ¥25,000,000 94.98%
  スタジオ費用 ¥720,000 2.74%
  交通費 ¥240,000 0.91%
  雑費 ¥360,000 1.37%
  小計 ¥26,320,000  
営業利益   ¥248,000  
営業利益率   0.67%  


5人組インディーズバンドのメンバーが、年収500万円を達成するために、なぜファンが7,000人必要なのか。どのように計算してそうなったのか、少し説明したいと思う。

まずは、雰囲気をつかんでもらうためにシミュレーションに使ったパラメータの全体像を掲載しておく。

カテゴリ # 内容 数値 説明
固定ファン数 A   7000  
ファン稼働率 B ブッキングライブ 1.25% 何%がライブに来てくれるか
  C ワンマンライブ 20.0% 何%がワンマンに来てくれるか
  D CD 30.0% 何%がCDを買ってくれるか
  E 物販 3.00% 何%がグッズを買ってくれるか
ブッキングライブ関連 F ライブ回数/月 4  
  G 平均ライブ動員/回 84 A × B
  H 平均チケット代 ¥2,500  
  I ライブハウス費用/回 ¥25,000 チケットノルマ10枚 * 25,000円
ワンマンライブ関連 K ワンマン回数/年 2  
  L 平均ワンマン動員 1400 A × C
  M 平均チケット代 ¥3,000  
  N ライブハウス費用/回 ¥1,500,000 キャパにより変動
CD販売関連 P リリース数/年 2  
  Q 平均販売数 2100 A * D
  R 平均CD販売価格 ¥2,500  
  S 自主販売シェア 20%  
  T 全国流通手数料 50%  
  U CD原価/枚 ¥200 在庫余裕率10%とする
物販関連 V 平均物販単価 ¥3,000  
  W 平均販売数/月 210 A * E
  X 平均原価率 30%  
バンド活動経費 Y メンバー数 5  
  Z 平均給与 ¥400,000  
  AA 練習回数/月 10  
  AB 練習時間/回 3  
  AC リハスタ費用/時 ¥2,000  
  AD 交通費/月 ¥20,000  
  AE 雑費/月 ¥50,000  

各項目の説明

固定ファン数・ファン稼働率

バンド活動の主な収益源は、「ファンがライブに来てくれる」、「ファンがCDを買ってくれる」であり、当然ながらファンの存在なくして活動は成り立たない。

一言で「ファン」と言っても、CDをリリースするたびに買ってくれて、ライブもたくさん来てくれる売り上げにつながるファンと、そのバンドが好きだという点では同じだけど、YoutubeでMVだけ見てるような売り上げにつながらないファンがいる。売り上げにつながるファンを「固定ファン」と呼び、この数をシミュレーションで使っている。売り上げにつながらないファンは「無課金ファン」として呼び分ける。

「無課金ファン」っていう名称は響きがあれだけど、バンドのことを知ってくれているという意味では、非常に大事なファンなので、お金を使ってくれないからといって冷遇しないようにしたい。

次に、ファン稼働率について。これは「固定ファンが、どれくらいの割合で行動を起こしてくれるか」を表している。造語なので、ググっても出てこない。
「固定ファン」にも、CDは買ってくれるけど、ライブには来てくれない。ワンマンライブは来てくれるけど、ブッキングライブには来てくれない。など、いろんな人がいるので、項目が分かれている。

「ファン稼働率」は、自分が知っている範囲で、多分これくらいかな?という数字を入れている。あんまり自信がない。バンドによって全然違う数字になってるんじゃないかな、と思う。ここは、それぞれの信じる数字を当てはめてね。

ブッキングライブ関連

ブッキングライブ関連では、毎月のブッキングライブの活動回数やチケット代を設定する。ブッキングライブの平均動員数は、固定ファンとファン稼働率で計算している。
「ライブハウス費用」は、いわゆるチケットノルマを表している。「ワンマンで1,400人も動員するバンドがチケットノルマ・・・?」と思った人もいるかもしれない。チャージバックにも色々バリエーションがあるし、計算が面倒なので、とりあえずブッキングライブを1回やると、25,000円かかるものとする、として計算した。手抜きですいません。

ワンマンライブ関連

ワンマンライブ関連は、あまり説明するものはないけど、ライブハウスを借りるお金以外に色々出費ありそうだな、と思う。ゲスト呼んだり、ステージ演出にお金かけたり。

CD販売関連

楽曲の販売経路がありすぎて、「ライブハウスや公式ショップでの自主販売」か「タワレコみたいな店舗」の二つに絞った。店舗販売の手数料が高いので、これからはYoutube経由でiTunesに誘導して購入してもらうのが良さそうに思う。

CDの原価については、プレス数に比例して安くなるので、その辺は調整の余地がある。あ、レコーディング代を入れるの忘れた。

物販関連

参考になるデータがないので、かなり適当。「固定ファン」の3%が入れ替わりで毎月何かしらの商品を買うという条件にしてみた。Tシャツか、CDあたりを1点購入して3,000円という感じ。原価率は30%くらいと思われる。「固定ファン」の数に比例してドンドン稼げる場所だから、力を入れたいポイントと言って良い。

バンド活動経費

まあ、気づいてしまった人もいるかと思うんですが、もしメンバーが3人なら1年あたり1,000万円くらい利益が出てしまうんだね。

ちなみに、メンバーの年収を300万円にしても、同じように1,000万円くらい利益が出るよ。

固定ファンが10,000人だったら、1,300万円の黒字

全く同じ条件で、固定ファンの数を10,000人にしてみると、年間で1,300万円の利益が出る。営業利益率は約25%。非常に優秀なビジネスに大変身。人気が継続すれば、の話だけど。規模に応じて、ライブの演出やMVにお金をかけるなど、支出も大きくなると思うので、ここまで儲からないかもしれない。

さて、メンバー5人のインディーズバンドが年収500万円を目指そうとしたときのおおよそ必要な「固定ファン」の数がわかった気になったところで、次回は実在のバンドとSNS上の各種数値を並べて色々考えてみようと思う。

では、また。

このブログについて

このブログの目指すところ

このブログでは、ベンチャー企業マーケティングの仕事をしている私が、インディーズバンドのファンを増やす方法を考えていきたいと思います。
音楽で生きていこうと思う人にとって、何かヒントを残すことができたら幸いです。

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